2024年1月31日、金融庁より「経営者保証に関するガイドライン」を活用して保証人が自己破産を回避した事例が公表されました。
中小企業においては、会社の借入れに関して経営者が個人で連帯保証債務を負担していることが多いため、中小企業の破産に伴い経営者個人も破産することになるという問題点が、長らく指摘されておりました。
この点については、いわゆる経営者保証ガイドラインの活用により経営者個人の破産手続を回避する可能性が一定程度あるものの、現状は経営者保証ガイドラインの認知度が高いとは言えず、また経営者保証ガイドラインに基づく手続をサポートできる専門家の数も限られている状態です。
今回、金融庁が事例を公表した背景には、より多くの経営者に経営者保証ガイドラインの存在を認識してもらい、会社の財政状況が悪化した際に、自らが自己破産を回避できる可能性があることを知ってほしいということもあると思われます。
経営者の皆様におかれましては、金融庁が公表している事例をご一読いただき、万が一、会社が破産手続の申立てを行うこととなった場合でも、ご自身の破産手続を回避する手段があることをご認識いただければ幸いです。