当事務所ではM&A・事業承継に関するトラブルについてもご相談を承っておりますが、昨今、買主の信用力を原因としたトラブルが非常に増えております。
具体的には、①買主が資金調達できず、譲渡代金あるいは退職慰労金が支払われない、②M&A・事業承継の実行後に外すといわれていた個人の連帯保証について、買主側で代替案が提示できず、いつまでたっても連帯保証が外れない、といったものが代表例ですが、その他にも買主が負担するべき仲介手数料を売主に支払わせるようなケースも見られます。
多くの中小企業の経営者の皆様にとって、M&A・事業承継は人生で一度きりの取引ですので、買主や仲介会社から「通常このようにしているので問題ない」と言われると、「よくわからないが、そのとおりにしよう」と考えることもあろうかと思いますが、M&A・事業承継の実行後のトラブルを防ぐためにも、弁護士等の専門家に相談し、客観的なアドバイスを踏まえて判断されることをお勧めいたします。
なお、このような買主を原因としたM&A・事業承継に関するトラブルについては、中小企業庁からも注意喚起がなされておりますので、ご自身が取り組まれているM&A・事業承継において、買主に不審な動きがあると思われた場合には、以下のページもご確認ください。
中小企業庁:M&Aに関するトラブルにご注意ください