弁護士コラム

弁護士コラム「事業承継のタイミング」が掲載されました。

2020.04.22

長年にわたって事業を行ってきた中小企業の経営者の皆様であれば、一度は事業承継について検討したことがあると思います。中小企業庁が公表した資料によれば、日本の中小企業の経営者の年齢は70歳前後が最も多く、多くの経営者の皆様にとって事業承継が喫緊の課題であることをうかがわせる結果となっております。

それでは、事業承継はどのようなタイミングで行うべきなのでしょうか。

 

 

 

1.会社にとってのリスクとは

中小企業にとって最大のリスクは、経営者が不在となることです。

中小企業の業績は経営者の手腕に左右される場合が多く、経営者に予期せぬ事態が発生し、会社の運営に関与することが難しくなってしまった場合には、会社に大きな混乱が生じる可能性が極めて高くなります。

経営者の皆様の中には、相続に備えて遺言や生前贈与といった準備を進めておられる方は比較的多いと思われますが、言わば会社の相続である事業承継に関しても、同じように準備をしておく必要があります。

では事業承継の準備にはどの程度の期間が必要となるのでしょうか。

事業承継には大きく分けて、ご親族への承継と社外への引継ぎ(M&A)の二種類がありますので、それぞれに分けて説明いたします。

 

2.ご親族への承継

ご親族への承継の場合には、経営者による後継者の指名と、指名を受けた後継者による受諾を前提に、後継者の育成や従業員からの信頼の獲得といったプロセスが必要となります。後継者の方が既に社内で一定の役職に付いており、実績があるといった場合を除き、このようなプロセスには通常1~2年は必要になると思われます。

特に、近年では職業観を含めた価値観の変化により、後継者が指名を拒むといったケースが増えてきています。そのため、事業承継の準備として、会社の事業を磨き上げ、価値を高めることにより、後継者に拒否されるような事態が生じないように備えることも重要となります。

そのため当事務所では、大手広告代理店と協同し、新規事業や新サービスの開発、インナー改革や営業改革といった企業活動全般の戦略策定・コンサルテーションに関するご相談も承っており、様々な角度からスムーズな事業承継のサポートをさせていただいております。

「ご親族への承継」について詳細ページへ

 

3.社外への引継ぎ

社外への引継ぎとはいわゆるM&Aのことで、会社の株式や事業を第三者に譲渡することを意味します。

社外への引継ぎの場合、証券会社やM&A仲介会社に買主となる企業を探してもらい、条件が折り合えば買主に対して株式・事業を売却するという形で事業承継が行われますので、買主の探索を最初に行う必要があります。

会社の業績や事業の内容に加えて、その時々の景気といったマクロな環境にも左右されますが、買主の探索には6か月~1年程度かかるのが一般的と思われます。当事務所においても買主の探索のサポートを行っておりますが、2~3か月で条件が折り合う買主が見つかるというケースは、残念ながらこれまでにはありません。

そして買主が見つかった後に、デューデリジェンス・契約交渉などのプロセスに入ることになりますが、実際にM&Aが実行されるまでにはデューデリジェンスの開始から少なくとも3か月程度、場合によっては6か月~1年以上かかることもあります。

「社外への引継ぎ(M&A)」について詳細ページへ

 

4.まとめ

このように、事業承継は数年単位の取組みとなることが一般的ですので、事業承継の準備は可能な限り早い段階からスタートすることが望ましいといえます。少なくとも、早期に準備を開始することが経営者の皆様にとって不利な結果になることはほぼないと思われます。

また、事業承継税制と呼ばれる後継者に有利な税制の適用には期間の制限が設けられており、そのような点でも事業承継の準備を早期に開始するメリットがあります。

当事務所では、ご親族への承継・社外への引継ぎのいずれの場合でも、他の専門家と協同し、経営者の皆様を全面的にサポートさせていただいております。

事業承継の準備を始めたいが何をすればよいのか分からないという方も、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

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