弁護士コラム

弁護士コラム「フィナンシャル・アドバイザーの役割」が掲載されました。

2020.10.09

M&A・事業承継の場面では、弁護士・公認会計士・税理士といった専門家のみでなく、証券会社・M&A仲介会社がフィナンシャル・アドバイザーとして当事者にアドバイスを行うケースが多く見られます。一方でフィナンシャル・アドバイザーという言葉には明確な定義が無いため、フィナンシャル・アドバイザーはなぜ必要なのか?というお問い合わせをいただくこともあります。

当事務所の弁護士は、野村證券株式会社においてフィナンシャル・アドバイザーとして勤務し、M&A・事業承継のアドバイスを行った経験がありますので、本コラムではフィナンシャル・アドバイザーの役割などについて解説させていただきます。

 

1. フィナンシャル・アドバイザーの役割

最も多いご質問は、「フィナンシャル・アドバイザーは何をするのか?」というものです。

フィナンシャル・アドバイザーの業務内容を一言で説明するのは非常に難しく、その理由は業務内容が非常に多岐にわたるためです。

M&A・事業承継の提案から買主候補の探索、スキームの検討、デューデリジェンスへの対応、株式価値の算定、契約交渉など、当事者が弁護士・税理士・公認会計士などの専門家に個別に依頼しない業務については、まずはフィナンシャル・アドバイザーにて検討するということは珍しくありません。

そのような意味で、M&A・事業承継に関する知識と経験は、一般的な弁護士よりもフィナンシャル・アドバイザーの方が優れているとも言えます。

 

2. 依頼者の良き相談相手としてのフィナンシャル・アドバイザー

M&A・事業承継には必要性に基づく自然発生的なものもありますが、証券会社・M&A仲介会社が依頼者に対して提案をすることにより、初期的な検討がスタートすることも多く見られます。依頼者が弁護士などの専門家に相談するのは、買主候補がある程度決まり、本格的な検討を開始する段階になります。

そのため、一般的には弁護士などよりもフィナンシャル・アドバイザーの方が依頼者との関係を構築しており、依頼者にとって相談しやすい相手になるケースが多いと思われます。

依頼者にとってM&A・事業承継は未知のものであるケースが通常で、不明なこと・理解できないことだらけというのが当たり前なのですが、「細かすぎて弁護士などには相談しづらい」と考えてしまう依頼者の方にとって、そのような質問にも丁寧に対応してくれるフィナンシャル・アドバイザーは貴重な存在となります。

 

3. フィナンシャル・アドバイザーが必要なケース

上場会社が当事者となるものなど、一定の規模を超えるM&A・事業承継ではフィナンシャル・アドバイザーが関与することが通常ですが、当事務所では、特に売主となるケースではフィナンシャル・アドバイザーに依頼することをお勧めしております。

「売主となるケース」というのは、経営者の方が保有している株式を譲渡する場面や、会社の事業を譲渡する場面を主に想定しておりますが、このような場面で買主候補を独自に探索しようとしても限度があるのが通常です。また、取引先などにM&A・事業承継の話を持ち掛けると従業員の引き抜きのリスクなどもありますので、同業他社を買主候補とする場合でも注意が必要となります。

フィナンシャル・アドバイザーの重要な役割のひとつに、豊富なネットワークを活かして買主候補を幅広く探索することがあります。経営者の方が想定しない候補先から思わぬ好条件が提示されることもありますので、売主となるケースではフィナンシャル・アドバイザーに買主の探索を依頼することが特に重要となります。

 

4. まとめ

本コラムでは、M&A・事業承継に欠かせない存在であるフィナンシャル・アドバイザーについて、簡単ではありますが解説させていただきました。

当事務所では証券会社・M&A仲介会社とも連携し、必要に応じて適切なフィナンシャル・アドバイザーを紹介させていただいておりますので、M&A・事業承継を検討中の方はお気軽にご相談ください。

 

※本コラムの内容は、一般的な情報提供であり、具体的なアドバイスではありません。お問い合わせ等ございましたら、当事務所までご遠慮なくご連絡下さいますよう、お願いいたします。

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