弁護士コラム

弁護士コラム「事業承継とデューデリジェンス」が掲載されました。

2021.07.13

当事務所にご相談に来られる中小企業の経営者の方から、「事業承継にあたって後継者候補が会社のデューデリジェンスを行うことになったが、どのように対応すればよいのか?」というご質問をいただくことがあります。

M&Aを積極的に行っている会社の経営者の方を除き、そもそもデューデリジェンスが具体的にどのようなもので、何のために行うものであるのか、あまりイメージがないことが一般的と思われます。

そこで本コラムでは、デューデリジェンスとは何か、また事業承継に際してデューデリジェンスが行われる際に、経営者はどのような対応をすべきかについて、ポイントを解説させていただきます。

 

 

1. デューデリジェンスについて

はじめに、デューデリジェンスの概要を紹介させていただきます。

デューデリジェンスとは、事業承継・M&Aの対象会社に関する様々な事項の調査のことで、弁護士・公認会計士・税理士などの専門家、あるいは後継者・買主自身が行うものとご理解ください。

デューデリジェンスの種類としては、①法務、②会計、③税務、④ビジネスの4つが主なもので、これらに加えて⑤労務、⑥IT、⑦知的財産権など、対象会社の業種などに応じてピンポイントのデューデリジェンスが行われることもあります。

デューデリジェンスを行う目的ですが、後継者・買主などが対象会社の経営権・支配権を獲得する上で、予め対象会社のリスク・問題点を分析・把握することにあります。

対象会社にリスク・問題点がある場合、基本的には契約書でどのような対応を行うかを取り決めることになりますが、あまりにもリスク・問題点が大きいような場合には、事業承継・M&Aの検討自体が中止されることもあります。

そのため、デューデリジェンスを行う側(後継者・買主)としては、できる限り対象会社に関する詳細な情報を得ることが目的となりますが、他方でデューデリジェンスを受ける側(売主)としては、仮にリスク・問題点があっても対処できる姿勢を見せることが重要となります。

 

2. 事業承継とデューデリジェンス

それでは、事業承継の場面ではどのようなデューデリジェンスが行われるのでしょうか。

事業承継には、①親族内承継、②従業員承継、③第三者への承継がありますが、①親族内承継、②従業員承継のケースで厳格なデューデリジェンスを行うことはあまり想定されません。というのは、①親族内承継、②従業員承継のケースでは、後継者であるご親族・従業員が対象会社のことをよく知っていることが通常だからです。もちろん、ご親族・従業員であっても念のためデューデリジェンスを行うことはあり得ますが、社外の第三者が行うデューデリジェンスとは異なったものになると考えられます。

その意味において、事業承継の場面でデューデリジェンスが行われるのは、③第三者への承継のケースです。

第三者への承継はM&Aそのものですので、後継者となる買主が、対象会社の財務状況や労務管理などの内部体制を厳しくチェックし、問題点の有無・リスクの大小を評価した上で、事業承継の実行をどのように行うのか、また事業承継に際して経営者に支払う対価はいくらになるのかを決定することになります。

そのため経営者としては、第三者への承継のケースで行われるデューデリジェンスは、事業承継の成否を左右する非常に重要なものと考えられます。

 

3. デューデリジェンスを受ける経営者はどのような対応をすべきか

上述した第三者への承継の際に行われるデューデリジェンスの重要性の高さに鑑みますと、経営者としてもデューデリジェンスに先立ち、対応策を講じることが重要となります。

対応策のうちもっとも確実なものは、後継者のデューデリジェンスに先立ち、経営者主導で対象会社のデューデリジェンスを行うことです。すなわち、経営者が弁護士・公認会計士などの専門家に依頼して対象会社(ご自身の会社)のデューデリジェンスを行い、問題点・リスクを把握して、対処できるものは事前に対処してしまうことで、後日行われるであろう後継者のデューデリジェンスの時点では問題点・リスクとして検出されなくすることが可能となります。

このようなデューデリジェンスはセラーズ・デューデリジェンスとも呼ばれ、当事務所でもデューデリジェンス対応に不安があるオーナーから依頼を受けて、セラーズ・デューデリジェンスを行っています。

セラーズ・デューデリジェンス以外の対応策としては、デューデリジェンスの対応について専門家にアドバイスを依頼することも考えられます。

デューデリジェンスでは、経営者に対して漠然とした質問・抽象的な質問がなされるため、どう回答して良いのか分からず、その結果、後継者が無用な不安を抱いてしまうことが多々あります。

そのため、質問への回答や、どのような資料を提出すればよいのかについて、専門家にレビュー・アドバイスを依頼することで、誤解のない回答をすることが可能になります。

デューデリジェンスは1~2か月の期間を設定して行われますが、経営者は通常のビジネスと並行してデューデリジェンスの対応をしなければなりませんが、デューデリジェンス対応を専門家に依頼することで、経営者は本業であるビジネスに集中することができますので、その意味でもメリットがあります。

 

4. まとめ

本コラムでは、デューデリジェンスとは何か、また事業承継に際してデューデリジェンスが行われる際に、経営者はどのような対応をすべきかについて、ポイントを解説させていただきました。

デューデリジェンスを受ける経営者の中には、すべてをご自身で対応して相当な苦労をされている方がおられます。確かに、会社のことを最もよく知っているのは経営者ですので、デューデリジェンスにおいても経営者の関与は不可欠ですが、効率的に進めるのであれば専門家のアドバイスを得ることも一案です。

当事務所では、デューデリジェンス対応の経験が豊富な弁護士が複数在籍しておりますので、デューデリジェンスを受ける経営者の方、デューデリジェンスを行う後継者の方のいずれのサポートも行っております。

デューデリジェンス対応を含め、事業承継・M&Aに関する初回の相談は無料で承っておりますので、お気軽にお電話又はお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

※本コラムの内容は、一般的な情報提供であり、具体的なアドバイスではありません。お問い合わせ等ございましたら、当事務所までご遠慮なくご連絡下さいますよう、お願いいたします。

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