弁護士コラム

弁護士コラム「成功する事業承継」が掲載されました。

2020.12.14

当事務所の弁護士は、これまでに様々な企業の事業承継・M&Aをサポートさせていただいておりますが、親族内承継・社外の第三者への承継を問わず、成功している事業承継には、ある程度共通するポイントがあると考えております。

そこで本コラムでは、成功する事業承継に共通するポイントについて解説させていただきます。

 

 

 

1. 事業承継の準備を始めるタイミング

最も重要なのは、事業承継の準備を始めるタイミングです。

多くの経営者にとって、長年にわたって関与してきた会社の経営から離れることは簡単ではなく、事業承継の準備も直前まで始められないことがほとんどです。しかしながら、後継者が社内で一定のポジションについており、従業員からの信頼を得られている状況を確保しているようなケースでなければ、事業承継の準備から実行までには半年から数年の期間が必要となるのが通常です。

一方で、事業承継を成功されている経営者の方は、以下に述べる専門家への相談や、後継者の確保などを、65歳を過ぎたころから始められていることが多いと思われます。

ご自身が70歳、あるいは75歳になった頃をひとつの区切りとすることを目安として、早い段階から事業承継の準備を開始することで、事業承継の実行による取引先・従業員などの関係者への影響をなるべく抑えることが、スムーズな事業承継にとっては重要となります。

なお現在では、信託を利用したスキームなどにより、後継者を確保しつつ、現経営者の経営権を確保しておくことも可能になっております。

 

2. 専門家への相談

「事業承継」という言葉から、「ご親族への株式の生前贈与」をイメージされる方は少なくありません。これは、一昔前の事業承継といえば、ご親族への株式の生前贈与が一般的なスキームであったことが大きいと思われます。

もっとも現在では、親族内承継であれば生前贈与以外にも、信託・種類株式を利用したスキームがあります。また、社外の第三者への承継であれば、株式譲渡の他に事業譲渡や合併・会社分割といったスキームを利用することも可能になります。

このように事業承継には様々なスキームがある中で、どのような手法を用いることが経営者・後継者の皆様に最もメリットがあるのかを考える上では、やはり弁護士・税理士といった専門家への相談が重要になります。

特に周りに後継者がおらず、社外の第三者への承継を検討されている場合には、スキームによって負担する税金の額が大きく異なってきますので、事業承継・M&Aを専門とした税理士への相談は必須とも言えます。

これまでに会社でM&Aを行った経験がある経営者の方や、周りに事業承継・M&Aの専門家がおられる経営者の方は、早期から専門家への相談を開始されており、その結果、スムーズな事業承継の実行につながっているケースが多いと思われます。

 

3. 企業の強みの対内的・対外的アピール

当事務所が他の法律事務所とは異なり特に重視しているのが、経営者の方が、企業の強みを対内的・対外的にアピールできているか、という点です。

日本の中小企業は多かれ少なかれ経営者の方の手腕・カリスマによってビジネスが支えられている部分が多く、事業承継により経営者が引退してしまうと、ビジネスが衰退してしまうことも少なくありません。これは、その企業の強みを理解しているのが経営者のみであるため、事業承継の実行後にビジネスの強みを打ち出せなくなってしまうことが一因と思われます。

設立から10年以上が経過し、きちんとビジネスを行っている企業であれば、何らかの強みはあるはずですので、その点を対内的・対外的に可視化し、事業承継の実行後も後継者・取引先・従業員がブランドとして理解できる形を整えておくことが、事業が将来にわたって継続する上で非常に重要になります。特にメディア等でも取り上げられる事業承継は、経営者が企業のブランドなどを上手に打ち出されており、それが企業価値の向上にもつながっているケースが多いと感じております。

そのため当事務所では、株式会社博報堂とアライアンスを締結しており、企業の強みの可視化などのサポートもさせていただいております。

 

4. まとめ

本コラムでは、成功する事業承継に共通するポイントについて解説させていただきました。

企業にはそれぞれの特徴があり、どのような形で事業承継を進めるのがスムーズなのかは、企業の特徴により異なってきます。

当事務所では、経営者の方からお話を伺った上で、経営者の希望に沿った事業承継の形はどのようなものか、その場合のリスクはどこにあるのか、さらには会社が将来も続いていくためにはどのような準備をすべきか、といった総合的なサポートをさせていただいております。事業承継を検討されている経営者の皆様は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。

 

※本コラムの内容は、一般的な情報提供であり、具体的なアドバイスではありません。お問い合わせ等ございましたら、当事務所までご遠慮なくご連絡下さいますよう、お願いいたします。

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