弁護士コラム

弁護士コラム「スポンサー企業の探索」が掲載されました。

2020.12.05

現在、会社の業績・財務状況が芳しくない状態で、自主再建か、スポンサー企業への事業の売却かで悩まれている経営者の方も多いと思われます。

状況が改善する見通しが立たず、自主再建が困難である場合にはスポンサー企業への事業売却を検討することになりますが、金融機関から金銭を借り入れられている場合には、スポンサー企業への事業売却を選択したことについて、金融機関から合理的な説明を求められることになります。仮に金融機関に対して合理的な説明ができなければ、金融機関から事業売却の同意を得られず、事業再生がとん挫することになりますので、慎重に進める必要があります。

そこで本コラムでは、スポンサー企業を探索する際のポイントについて解説させていただきます。

 

1. スポンサー企業の探索プロセス

スポンサー企業を探索する際に、経営者の方が取られる手法で特に多いのが、知り合いの同業の経営者に対して事業売却の話を持ち掛けるというものです。

会社の経営が順調で、財務状況にも問題がない場面であれば、この手法に問題はありません。

しかしながら、会社が危機時期にある場合、金融機関からはスポンサー企業の選定のプロセスの公平性・透明性が強く求められます。知り合いの企業だけに声を掛けた場合には公平性が担保されず、また事業譲渡の条件として経営者がスポンサー企業で新たな職に就くことを約束しているような場合には透明性を欠くことになりますので、金融機関の同意を得ることが難しくなりますので、注意が必要です。

 

2. フィナンシャル・アドバイザーの活用

そのため当事務所では、スポンサー企業を探索でご相談に来られる方には、フィナンシャル・アドバイザーにスポンサー企業の探索を依頼することを強くお勧めしております。

フィナンシャル・アドバイザーについては、コラム「フィナンシャル・アドバイザーの役割」でもご紹介しておりますが、スポンサー企業の探索の文脈では、証券会社・M&A仲介会社に、その豊富なネットワークを活かしてスポンサー候補を幅広く探索してもらうことになります。

業種や事業会社/投資ファンドの別を問わずに打診してもらうことで、スポンサー選定プロセスの公平性が一定程度確保されますので、金融機関の同意を得る上で、フィナンシャル・アドバイザーの役割は非常に重要となります。

 

3. 譲渡代金の妥当性

また、フィナンシャル・アドバイザーを活用することで、譲渡代金の妥当性についても一定の合理的な説明が可能となります。

すなわち、単に「知り合いの企業が●円で事業を買ってくれると言っている」というだけでは譲渡代金が妥当であることの説明は難しく、「合計●社に打診し、結果として最も高い価格を出した企業がA社であった」という説明ができれば、金融機関に対して譲渡代金が妥当であることの大きな根拠となります。

そもそも危機時期にある企業の事業価値はゼロもしくはマイナスであることが通常であり、譲渡代金の妥当性を定量的に説明することは難しく、上記のような定性的な説明をせざるを得ない場面もありますので、この意味でもフィナンシャル・アドバイザーの役割は重要と言えます。

 

4. まとめ

本コラムでは、スポンサー企業を探索する際のポイントについて解説させていただきました。

新型コロナウイルス感染症の影響などで資金繰りが厳しく、破産の可能性について考えられている経営者の方も多いのではないでしょうか。もっとも、破産は最終的な選択肢であり、私的整理の可能性があるのであれば、スポンサー企業を探してみることも一案かと思われます。

当事務所では、フィナンシャル・アドバイザーとして勤務した経験のある弁護士が、必要に応じて実績のある証券会社・M&A仲介会社をフィナンシャル・アドバイザーとして紹介させていただいておりますので、自主再建・スポンサー企業への事業譲渡などでお悩みの方は、ぜひ当事務所までご相談ください。

 

※本コラムの内容は、一般的な情報提供であり、具体的なアドバイスではありません。お問い合わせ等ございましたら、当事務所までご遠慮なくご連絡下さいますよう、お願いいたします。

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