弁護士コラム

弁護士コラム「事業承継の準備①」が掲載されました。

2020.07.22

事業承継は、いわば会社の相続であり、大切な事業を次世代の経営者にきちんと承継し、また経営権をめぐる紛争などが生じないようにする上では、早期から事業承継の準備を行っておくことが必要不可欠です。

一方で、そろそろ事業承継について考えたいが、いったいどのような準備をすればよいのかというお悩みのお持ちの経営者の方も少なくないと思われます。

そこで、確実な事業承継を行うためにはどのような準備をすべきかについて、複数回に分けてご説明させていただきます。


1. どのような形で事業承継を行うのか

最初にご検討いただく必要があるのは、事業承継をどのような形で行うか、すなわち事業承継のスキームについてです。

具体的には、大きな枠組みとして①ご親族への承継、②従業員への承継、③社外の第三者への承継のいずれを選択するかを検討いただいたうえで、さらにその中で株式譲渡・信託・事業譲渡などの細かいスキームを検討することになります。

初期的な検討の段階では、実行の可否はさておき、経営者の皆様がどのようなスキームを希望されるかが重要になります。

例えば、既に社外の第三者から事業承継の打診を受けているような場合でも、経営者の皆様がご息女・ご子息への承継を希望されるのであれば、ご親族への承継を優先的に検討いただく方が良いと思われます。

事業承継を行う上では経営者の皆様のご意向が最も重要ですので、当事務所でも事業承継の方針を検討する場合には経営者の皆様のお考えを事前に伺ったうえで、可能な限りご意向に沿ったスキームをご提案させていただいております。

 

2. 専門家への相談の開始

また、弁護士・税理士・公認会計士などの専門家への相談は、できる限り早期に開始しておくことが望ましいです。
専門家に相談される前に事業承継の話を進めてしまった結果、専門家に相談した時点では事業承継の方針が決まってしまっており、後戻りできなくなっているといった話も少なくありません。事業承継の手法には様々なものがあり、どの手法を選ぶかにより経営者の皆様が負担する税金の額に大きな差が出てしまうこともありますので、どのように進めるかについては初期段階で十分に検討しておく必要があります。

また、経営者の皆様が気づかないうちに不利な内容の契約が締結されてしまっている場合などもありますので、できる限り早期に専門家へご相談されることをお勧めします。より確実な事業承継を行うためには、事業承継の検討開始と同時に専門家への相談も行うことが最善の策とも言えます。

なお、弁護士・税理士・公認会計士のうち、どの専門家に相談すればよいかというご相談を受けることもありますが、初期的にはいずれの専門家でも問題ないと思われます。というのは、弁護士・税理士・公認会計士は横の繋がりがある場合が多いので、経営者の皆様からお話を伺ったうえで、適切な専門家をご紹介することができるからです。

 

3. まとめ

今回のコラムでは、事業承継の検討を開始した段階での準備についてご説明させていただきました。次回のコラムでは、もう少し検討が進んだ段階での準備についてご説明させていただく予定です。
事業承継は一生に一度あるかないかという種類の取引ですので、できる限り慎重に進める必要があり、場合によってはタイミングを先送りにするという判断をすべきこともあります。

当事務所では多くの経営者の皆様の事業承継のサポートを、公認会計士・税理士などの専門家と連携してワンチームで取り組ませていただいております。そろそろ事業承継について考えたいが、何から手を付けてよいのかわからないという方は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。

 

※本コラムの内容は、一般的な情報提供であり、具体的なアドバイスではありません。

お問い合わせ等ございましたら、当事務所までご遠慮なくご連絡下さいますよう、お願いいたします。

 

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